そこに立つもの

 北海道内を移動していると写真に撮っておきたくなる建物によく出会う。知らない土地に控えめな存在感を放って建っている。建物として役目を終えたものもあるがどれも十分使われてきた時間を感じる。近い将来、これらのほとんどは地上から崩れ落ち何もなかったかのように去っていくのだろう。
 写真は現実に何の効力も持たないが、忘れないための手助けくらいはできる。

アーティスト紹介

札幌在住の写真家。人物写真から建築写真まで幅広い活動をされている。
氏のライフワークとも言える北海道を舞台としたモノトーン作品の中から、「そこに立つもの」というテーマに従って厳選された建物の写真を多数展示します。

酒井広司
SAKAI Koji
GRAYTONE PHOTOGRAPHS Inc.
graytone@myad.jp
酒井広司 写真展 「そこに立つもの」
2005年5月7日(土)〜5月21日
11:00〜17:00 入場無料

●ギャラリートーク
酒井広司(photographer)×真鍋庵(artist/architect)
2005年5月14日(土) 15:00〜
定 員:20名 入場無料 (申込みはm+oまで

会場のギャラリーは若手の建築家の事務所の一角で、古い一軒家を再生したものです。展示する写真も道内を回って撮影した、昭和30年代前後に建てられたと思われる建築です。木造の住宅や、農家の納屋や、サイロ、小さな公民館など無名の建物ばかりです。やがて朽ちてなくなるであろうこれらの建物の写真は、北海道のひとつの時代の記録でもありますが、今回の写真展で主眼にしたいのは建物の、写真によって現れるイメージです。それは人が生きるのと同じように地面に立ち、時間の経過のうちにやがてなくなる建物に、私が感情的に同化した結果のものです。あまり注目されない静謐なモノのなかに、あらゆるものが生きるこの世界を知る窓があると考えています。写真がそんな普遍性を持ったところに行けたらよいのですが。是非見にいらしてください。(酒井広司)


2005.6.1 更新

酒井広司写真展は終了しました。
200名以上の方々にご来場いただき誠に有り難うございました。
会場の様子やギャラリートークの様子等を掲載しました。