Net Exhibition “BOOK HOUSE”
2005.11.21 / 床の検討

さて、このPマンションをリノベーションするに当って、一つ大きな検討課題があります。
それは床材を何にするかということです。

このマンションの規定によると、床材に規制があり、「フローリングの規制」として、「遮音性能LL40に限る」としています。
これは軽量床衝撃音レベルでかなりの高いレベルを要求しています。(数字が小さいほど高い性能を示す。)

クライアントは無垢材のフローリングを要望しているので、集合住宅用の置床システムを扱うメーカーに床衝撃音の予測計算を依頼しました。
結果はNG。メーカーが持っている最高の仕様でもLL50が限界でした。
建築家1のコメント
私達二人がどうやってクライアントにプランを提案するかというと、

1、それぞれがプランを作りコンペをして、クライアントに決めてもらう。
2、お互いの仕事状況を見ながらどちらかが主になって進める。
(1の場合でも結果的に2に以降する場合もあります。)などなどです。

今回は2の理由で担当者(建築家2)が決まり、要所要所を二人で検討確認をする作業となります。

まず、マンションの床材の規定である「遮音性能LL40に限る」の検討です。
クライアントによる要望は無垢材のフローリング。
工法を含めて床材の検討が始まった。

建築家2のコメント
壁の失敗を反省して、床は万全を期さなければならないと思い予測計算を行なった。また、マンションの管理組合が結構うるさいという噂もあって、これはしっかりしたデータを持たないと採用できないと考えました。
結局、無垢材フローリングでは管理組合の審査をパスしないだろうということで、別の材料も検討することになった。
クライアント1のコメント
準備中
クライアント2のコメント
次から次へと出てくるもんです。

今度は床。
家を造ると決めたときから、あるいはそれ以前の「家をもつなら」と漠然と思いをめぐらせていたときから、床材は無垢のフローリング以外まったく考えていなかった。経年変化を楽しむ、住むほどに味わいが出てくる家。そんな家にあこがれていたもので。
しかし。古くてもきれいなマンションは、やっぱりそれなりに管理組合がしっかりしていて規律も厳しい。

こっそりやっちゃう手もあるけれど(実際にそうした人もいるらしい)、モラルとしてどうよ?と思うし、ご近所トラブルの種は極力まかぬがよろしい。基本的に小心者だし。
かといって簡単に「じゃあフローリングやめます」と結論が出せるはずもなく。
まだ設計もできていない段階なのをいいことに「まあ、もうちょっとお互いに考えてみましょう」ということで、打ち合わせ終了。

改めて、思うがままの住まいを作るには、リノベーションには超えねばならぬ(超えられない?)ハードルが多いですなとため息。
▲床衝撃音予測計算書とパンフレット
検討結果はNG。最も優れた仕様で計算してもLL50が限界だった。